介護DXのメリット

介護DXのメリット

現場はひっ迫している

介護業界は過酷な仕事だと思っている人も多いのではないでしょうか。「きつい」「きたない」「きけん」の3Kの仕事だといわれることも多く、新型コロナウイルスが拡大した時にはひっ迫した状況が何度もニュースに取り上げられていたためそのようなイメージを持つのも仕方がないことかもしれません。そのような状況ですが、現場が少しでも円滑に回るよう、様々な工夫がなされています。そのひとつが、ITの力で業務をスムーズにする「介護DX」です。

介護DXとは

介護業界のデジタル化を目指す「介護DX」は、IT技術を現場に取り入れて組織やビジネスモデルの変革を目指すものです。業務効率の向上やコスト削減など、新たなビジネスの創造を可能にするとして大きな注目を集めています。
DXとIT化を同じものだと考えている人もいるかもしれませんが、この2つは意味が異なります。IT化はデジタルを活用して業務効率の向上を目指すものであり、DXはDXそのものを手段としてビジネス化することです。
ITの進化により、私たちは世界のどこにいても欲しい情報にリアルタイムでアクセスできるようになりました。介護DXはこの最新技術を介護現場に持ち込んで変革を起こそうという試みです。

どんなメリットがあるのか

DXを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、業務効率の向上が挙げられます。介護施設には入居者が数人の小規模施設から、100人以上の大規模施設まで様々なタイプがあります。大規模な施設は職員の数も多いのですが、入居者の様子を常に確認することは容易ではありません。24時間体制の施設では夜勤もありますが日勤に比べると人数が少なく、その上、認知症などで徘徊している入居者もいるので常時チェックするとなるとさらに人手が必要です。そのような場合に役立つのが人感センサーです。寝起きを検知するタイプ、ドアノブに手をかけると作動するタイプ、常時装着するタイプなど色々あります。センサーが作動するとすぐに職員が持っているデジタル端末に情報が送られてくるので、離れた場所にいても入居者の行動を把握することができます。常に側にいて確認する必要はありません。
また、24時間体制の施設では入居者1人に対して複数の職員で対応しますが時間によって担当者が変わるため、その際に仕事を引き継ぐことになります。入居者の状態を介護記録に書き込んだり、引き継ぎの際に口頭で伝えたりしますが、重要な部分を見落とす可能性もゼロではありません。しかし、手書きや口頭での受け渡しをデジタル化することでそうしたヒューマンエラーを防ぐことができ、記録する時間も短縮することができます。情報も一元化されるため、担当者以外の職員が急遽引き継ぐことになってもスムーズに進められます。さらに、ペーパーレス化にもなりコスト削減につながります。

進化し続ける介護現場で働きたい方へ